ウェルスナビ(WealthNavi)は、長期積立を目標としたロボアド投資です。
同じように長期運用に適した投資先として「iDeCo(イデコ)」があります。
iDeCo(イデコ)は運用益にかかる約20%の税金が非課税になりますので、非常に魅力的ですよね。
この記事では、ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の違い、どの点でどんなメリットがあるのかを比較しながら分かりやすく解説します。
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の比較を分かりやすく解説
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の比較:税金
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の比較するときに真っ先に頭に浮かぶのは「税金」ではないでしょうか。
iDeCo(イデコ)は政府が後押ししてできた私的年金制度ですので、税金面ではウェルスナビ(WealthNavi)より圧倒的にお得です。
例えば、iDeCo(イデコ)で運用中は「運用益にかかる20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金は非課税」「掛け金と給付金で所得控除を受けられる」メリットがあります。
それと比較すると、ウェルスナビ(WealthNavi)では運用益に対して約20%の税金がかかりますので不利です。
「特定口座・源泉徴収あり」を選んでいる人であれば、ウェルスナビ(WealthNavi)から出金すると自動的にこの約20%の税金が引かれてしまいます。
ただし、年収2000万円以下の会社員で「特定口座・源泉徴収なし」で「投資などで得た利益が年間20万円以下」の場合は、税金を支払う必要はありません。
例えば「特定口座・源泉徴収なし」の人が元本200万円を運用して8%の利回り、216万円で売却、利益16万円であれば、ウェルスナビ(WealthNavi)でも税金の支払いはありません。
逆に言うと、同じ運用をした人が「特定口座・源泉徴収あり」を選んでいる場合、16万円✕20%=3.2万円の税金を引かれてしまいます。
しかし、ウェルスナビ(WealthNavi)の配当金(分配金)に関しては一律で約20%の税金があらかじめ引かれていますので、税金の支払いを免除してもらえる方法はありません。
つまり、税金面で比較すると、iDeCo(イデコ)は対象者全員が非課税ですので圧倒的にお得です。
ですが、ウェルスナビ(WealthNavi)でも条件にあてはまれば、税金の負担を少しは軽減できることは知っておきましょう。
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の比較:手数料
手数料の面で比較すると、ウェルスナビ(WealthNavi)よりiDeCo(イデコ)のほうがメリットは大きいでしょう。
ウェルスナビ(WealthNavi)では、基本的には「預かり資産に対する1%」の手数料が引かれます。
一方、iDeCo(イデコ)では「口座管理手数料」と「信託報酬」がかかり、開始時に2829円、月額口座管理手数料0円から数百円、受け取り時に給付手数料440円/回がかかります。
なお、iDeCo(イデコ)を開設した金融機関によって月額口座管理手数料は異なります。
それからiDeCo(イデコ)で預金ではなく投資信託を選んだ場合には、それぞれの投資信託別で信託報酬の手数料がかかります。
国内株式・国内債券・外国債券であれば0.15〜0.17%程度、外国株式であれば0.1%程度の信託報酬であれば、安いといえるでしょう。
iDeCo(イデコ)では複数の手数料がかかりますが、ウェルスナビ(WealthNavi)と比較すると合計しても安くなるはずです。
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の比較:お手軽さ
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)で比較すると、圧倒的にウェルスナビ(WealthNavi)のほうがお手軽といえます。
まずは日数で比較してみましょう。
ウェルスナビ(WealthNavi)は投資を開始するまで、最短で2日程度しかかかりません。
iDeCo(イデコ)は、証券会社で口座開設をしてから運用が開始できるまで、1〜2ヶ月かかってしまいます。
次に運用方針を決めて、投資先を選定する点で比較してみると、ウェルスナビ(WealthNavi)のほうがiDeCo(イデコ)よりお手軽です。
ウェルスナビ(WealthNavi)では、簡単な6問のアンケートに応えて投資資金を設定するだけで、最適なポートフォリオを作成してくれます。
その後もマーケット状況に合わせて、ポートフォリオの見直しや自動売買でリバランスをしてくれます。
それに比べると、iDeCo(イデコ)は全て自分で考えなくてはいけないのでお手軽とはいえません。
運用方針はどうすべきか、「国内株式・外国株式・国内債券・外国債券」の割合はどうするか、それぞれのジャンルでどの投資信託を買うのかを考えなくてはいけません。
また、iDeCo(イデコ)は長期的に資産運用するものですので、年1〜2回のリバランスは必要でしょう。
ポートフォリオと現状を比較して、どの投資信託を買うのか売却するのかなどは、自分でするしかありません。
このポートフォリオの変更に伴う手数料は、ウェルスナビ(WealthNavi)では一切かかりませんが、iDeCo(イデコ)では商品の入れ替えが伴う場合に手数料がかかってきます。
このほか、ウェルスナビ(WealthNavi)と比較すると、iDeCo(イデコ)は60歳過ぎないと出金できない点がデメリットでしょう。
もちろん、ウェルスナビ(WealthNavi)は長期投資運用が基本ですが、いつでも出金できるお手軽さがあります。
出金時もウェルスナビ(WealthNavi)では出金金額を指定すれば銀行口座に振り込まれるだけですが、iDeCo(イデコ)では「何歳で受け取るのか、受取方法はどうするのか?」などを指定しなくていはいけません。
お手軽さの点で比較すると、ウェルスナビ(WealthNavi)のほうがiDeCo(イデコ)より良いでしょう。
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の比較:積立金額
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の最低積立金額と最高積立金額で比較してみましょう。
まず、ウェルスナビ(WealthNavi)は基本的な積立金額は「1万円以上」で、積立金額に上限はありません。
一方、iDeCo(イデコ)は国民年金の加入区分によって積立金額が異なります。
・自営業者など:月額6万8000円
・企業年金未加入の会社員:月額2万3000円
・企業型DC加入の会社員:月額2万円
・企業型DCまたはDB加入の会社員
・公務員:月額1万2000円
・専業主婦:月額2万3000円
いずれも最低積立金額は5000円からです。
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)を比較すると、より多く積立したい人であればウェルスナビ(WealthNavi)、上限の範囲内で十分であるならiDeCo(イデコ)でよいでしょう。
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)の比較を分かりやすく解説まとめ
ウェルスナビ(WealthNavi)とiDeCo(イデコ)をさまざまな点から比較してみました。
税金や手数料の面ではiDeCo(イデコ)が有利、ポートフォリオや売買・受け取りの点ではウェルスナビ(WealthNavi)が有利です。
どちらか片方だけ選んでもいいですし、両方で運用してみてもよいかと思いますので、じっくりと比較検討してみてください。